「入居当初は帰宅願望や拒否があっても退去させません」施設のこのひと言に救われました

富士市の地域包括支援センターからご紹介をいただきました。
認知症のお母様のご相談。老人ホームへの入居を検討したいと長女様が鳩のつえへご相談にいらっしゃいました。

これまで長女様家族と同居していましたが、認知症が急激に進み、自宅にいるにも関わらず夕方帰宅願望があり1人で外出してしまい帰ってくることができない、昼食が置いてあっても食べない、など日中独居での生活が難しくなっていました。

長女様ご夫婦は共働き。夫は遠くまで通勤しており毎晩帰りが遅い。その為、長女様のご負担がとても多く日中はお仕事。それ以外は家事とお子様の育児、お母様の介護に昼夜問わず追われており、肉体的にも精神的にも疲弊していつ倒れてもおかしくない状況でした。

ご家族も在宅サービスのご利用を試みた時期もありましたが、利用者様ご本人(お母様)が納得していないとサービス利用は出来ないと言われたことをずっと引きずっており、サービスを利用開始できないまま必死にひたすら家族だけで介護をしてきました。

鳩のつえにご相談に来た当初、長女様はグループホームをご希望されていました。
しかし、富士市内のグループホームは全て満床。
待機者が複数いるところもあり、グループホームへのすぐの入居は難しい状況でした。

ご家族としても在宅サービスを利用しながら時間を掛け待機していられるような状況ではなかった為、代わりにデイサービス併設の少人数の住宅型有料老人ホームを提案。
長女様と共に後日見学に行くことになりました。

施設を見学していただき、
12名1フロアの少人数施設であること、デイサービスの様子を気に入っていただきました。
ご家族と話し合った上、そちらの施設に入居することを決めました。

何より長女様の中でずっと引っ掛かっていたご本人(お母様)の入居の説得について
施設の管理者から
「納得せずにご入居してくる方がほとんどです。入居当初は拒否や帰宅願望があっても退去させることはしません。責任持って受け入れします。」
という一言に長女様は大変救われたようでした。

施設決定後も長女様はお忙しい中入居に向け準備していただきました。
施設側も長女様やご家族の都合を考慮し、長女様の仕事終わりである夕方の入居受け入れをしてくれた為、迅速に入居受け入れが可能となりました。
入居当日もお母様の強い拒否などはなく無事入居が出来ました。

ご入居から暫く経過しますが、
施設の生活に慣れ落ち着いて生活をされていると伺っています。
本当にこれまでご家族だけで頑張って介護してきたことにとても感心をしました。
特に長女様は仕事をしながら家事・育児・お母様の介護ととても苦労されたと思います。
今後は今まで以上にお子様や旦那様との楽しい時間が増えると嬉しいです。

皆様、お母様やお父様を施設入居させることに罪悪感を抱かれる方は多いと思います。
ケアマネジャーや関係各所と連携して最大限在宅サービスを利用して介護が可能であれば在宅生活を送っていくに越したことはございません。
しかし、介護だけでなく生活をしていく為、仕事や家事や育児など他に時間を掛けなくてはいけないことが沢山ございます。介護に追われ身体を壊すようなことやお子様や自分の仕事に支障を来たすようなことがあれば在宅介護は限界だと思います。
罪悪感を持たず、本当に困った時は“施設にお任せする”という選択肢があるということを頭の片隅に置いておくだけで良いと思います。

現在はコロナ化の為、各施設入居後の面会や外出に制限がございます。
しかし通常時はお母様やお父様にちゃんとお会いすることが出来ます。
入居すると会えなくなるわけではございません。面会や外出・外泊は可能です。
ご家族だけで悩まずにまずはお気軽にご相談ください。

相談員 土方和樹

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